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整形外科医が解説:むち打ちの痛みが天候に左右される「天気痛」のメカニズムと対処法

整形外科医が解説:むち打ちの痛みが天候に左右される「天気痛」のメカニズムと対処法

こんにちは!
西尾市一色町の整形外科クリニック
うえだ整形外科クリニック 院長 上田英範です。

当院は西尾市および周辺地域にお住まいの皆さんの健康な暮らしをサポートしています。
特に交通事故によるむち打ち症の治療については、多くの患者さんに相談をいただいてまいりました。
事故直後は気づきにくい痛みも、後から首の痛み、手のしびれ、頭痛、めまい、そして後遺症へのご心配となって現れるケースが多くあります。  

こうしたむち打ちの症状の中で、特に「天気が悪い日、雨や台風が近づくと痛みがひどくなる」というお悩みが頻繁に聞かれます。これは決して「気のせい」ではありません。
医学的に明確な根拠があり、「気象病」、あるいは「天気痛」として知られています。
今回は、整形外科専門医の視点から、なぜ天候がむち打ちの痛みを悪化させるのか、その医学的なメカニズムを深く掘り下げて解説し、西尾市で安心して交通事故治療を受けていただくための情報をお届けします。  

雨の日や台風の接近でなぜ痛む?むち打ち症状を悪化させる「天気痛」の正体

交通事故でむち打ち症を負った患者さんから、「天候により痛みが左右される」という訴えは非常に多く聞かれます 。
低気圧が接近し、雨の日や気温・湿度が大きく変化するタイミングで、首の痛みや重さ、頭痛といった症状が悪化する現象は、すでに多くの研究で関連性が指摘されています。  

この天候によって引き起こされる体調不良(天気痛)は、頭痛を中心として研究が進められており、国際学会でもその関連が認められるほど科学的な裏付けのある現象です。
むち打ち症の場合、すでに首の組織が衝撃によってダメージを受けている状態に、気圧や温度の変化というストレスが加わることで、身体の防御反応が過剰に働き、結果として痛みが顕著に現れてしまうのです。
つまり、既存の損傷部位が、天気という外部ストレスに対して非常に敏感に反応している状態だと理解してください。  

医学的視点から解き明かす:低気圧が引き起こす自律神経の乱れと血管反応

むち打ち症状を悪化させる「天気痛」の最大の原因は、自律神経の乱れにあります。
私たちは常に大気圧に囲まれていますが、低気圧が接近すると、体外からかかる圧力がわずかに減少するため、体内の血管は拡張しやすくなる傾向があります。  

身体はこの気圧の変化をコントロールしようとして、興奮や緊張を司る交感神経が過剰に働きます。
この自律神経の過緊張が、むち打ちによって微細な炎症を起こしている筋肉や靭帯に強い刺激を与え、普段よりも痛みを強く感じさせます。
これが、雨の日などに首が重く感じたり、ズキズキとした痛みが強まったりする医学的な理由です。
自律神経の乱れは、頭痛や倦怠感、不眠といった全身症状も悪化させます。  

めまいや吐き気の原因にも?内耳のセンサーと水分バランスの深い関係

低気圧が体に与える影響は、自律神経だけでなく、体内の水分バランスにも及びます。
低気圧の環境下では、体内の水分が乱れ、特に平衡感覚を司る内耳にあるリンパ液が必要以上に溜まってしまうことが考えられます。  

このリンパ液の過剰貯留が、平衡感覚を感知する前庭神経を圧迫し、むち打ちの慢性症状として見られるめまいや吐き気、ふらつきの原因となるのです。  

まとめると、低気圧の接近という気象要因は、自律神経を過剰に働かせて首の痛みや頭痛を引き起こし、また水分バランスを乱してめまいや吐き気といった内耳の症状を悪化させている、とご理解ください。  

「レントゲン異常なし」でも続く痛みと後遺症への不安を解消するために

交通事故後のむち打ち治療において、「病院でレントゲンを撮っても異常がないのに、痛みがとれない」という不安は非常によく聞かれます。
しかし、交通事故の衝撃は、レントゲンには写らない首の奥深くにある筋肉、靭帯、腱といった軟部組織の微細な損傷や、神経の炎症、自律神経の機能不全に起因しているのです。  

事故直後は症状が乏しくても、徐々に炎症が広がり症状が悪化していくケースは珍しくありません。
手のしびれや、痛みが変わらず後遺症を心配されている患者さんもいらっしゃいますが 、これは軟部組織の慢性的な炎症や神経の圧迫が続いている可能性を示唆しています。
当院では、単に骨を見るだけでなく、こうした軟部組織の損傷や自律神経の働きを評価し、専門的な診断を行っております。  

天候に左右されない体づくり:日常生活で実践できるむち打ちケアと対策

低気圧による痛みを予防し、症状の悪化を防ぐには、日々の生活の中で自律神経のバランスを整える意識が重要です。
最も効果的で手軽な対処法の一つは、患部や身体全体を温めることです。
身体を温めると、交感神経の過緊張が和らぎ、血管の収縮・拡張が安定しやすくなります。

特に、痛みを感じるときは、熱すぎないホットタオルなどを利用した温熱療法で血行を促進し、局所の炎症物質の除去を助けましょう。
日常的に首元を冷やさないよう、マフラーやタオルを日常的に利用する工夫も有効です。
また、適度なリハビリテーションを継続することは、首周辺の緊張を緩和し、気圧の変化に対する身体の抵抗力を高める上で極めて重要です。
私たちは、患者さんが自宅でも治療に積極的に参加できるような専門的なリハビリテーションの指導を行っています。  

西尾市で選ばれる理由:専門医による正確な診断と質の高いリハビリテーション

西尾市で交通事故治療をお探しの方にとって、医療機関選びは、その後の回復に大きな影響を及ぼします。
当院の強みは、院長が複数の専門医資格を持ち、複雑なむち打ち症の病態に対して多角的なアプローチを提供できる点にあります。  

私は、日本整形外科学会整形外科専門医として骨・関節・筋肉の専門知識を有しており、その専門性を活かして治療にあたっています。
この専門性を持つことで、レントゲンに異常が見えなくても、首の奥深くにある軟部組織の微細な損傷や機能障害を正確に見抜き、包括的な治療計画を立てることが可能です。
西尾市および近隣で、複雑なむち打ち症状、特に天候によって症状が左右されるような難治性の痛みにお悩みの患者さんは、ぜひ専門的な当院にご相談ください。  

事故に遭われた方が最初に行うべきこと:適切な治療へのスムーズな一歩

交通事故に遭われた際、まず患者さんに行っていただきたいことは、症状の有無にかかわらず、速やかに医療機関を受診することです。
事故直後は緊張や興奮状態にあるため、痛みを自覚しにくいことが多く、しばらく経ってから徐々に症状が現れることが一般的です。
この初期段階で適切な診断を受け、治療を開始することが、後の症状の悪化や慢性化を防ぐための鍵となります。  

「まずはしっかりと医療機関を受診して適切な治療を開始する必要がある」というのは、交通事故治療における鉄則です。
痛みが変わらず後遺症が心配な方、車に乗るのが怖い方、あるいは左右が向けないといった機能的な問題を感じる方 は、ご自身の抱える全ての不安や症状を専門医に詳しくお伝えください。
早期の受診と診断は、治療計画を迅速に立てるためだけでなく、後の保険手続きや法的な対応においても重要な基盤となります。  

交通事故による痛みや不安は、専門的な治療と適切なリハビリテーションによって必ず改善へと向かいます。
特に天候に左右される痛みは、身体の内部で起こっている複雑な反応の結果であり、それを理解し、適切に対処することが重要です。
西尾市一色町のうえだ整形外科クリニックは、皆様が安心して治療を受け、元の生活に戻れるよう、全力を尽くしてサポートいたします。

理学療法士・柔道整復師 計12名体制で皆様の健康増進を全力サポート!

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ではまた!

執筆者

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執筆者

上田 英範

うえだ整形外科クリニック 院長

2021年、愛知県西尾市にうえだ整形外科クリニックを開院。
信頼される医療がモットー。
交通事故によるむち打ち、腰痛などの診療にも注力しております。

経歴
金沢医科大学卒/名古屋医療センター研修医/聖霊病院整形外科勤務/なかざわ記念クリニック整形外科勤務
保有資格
日本整形外科学会専門医/日本整形外科学会リウマチ医/日本整形外科学会スポーツ医/日本整形外科学会運動器リハビリテーション医
所属学会
日本整形外科学会/日本リウマチ学会/日本骨粗鬆症学会/日本整形外科超音波学会/日本リハビリテーション医学会/日本整形内科学研究会